回転空転フルスロットル。

沖縄の会社員の日常の空回り+酒とごはん+富士山登頂を目指すブログです。

自律神経系魔法使い群。

 …昨日、仕事から帰ってきたら、くしゃみはするわ熱っぽいわで、なんだか体調が
 思わしくなかったのである。
  「あー、風邪ひいた。…ハ、ハ、ハックション!」
  ボワーン!
  「…呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」
  「わ、わ、あんた誰だよ?」
  「ハクション大魔王でおじゃるよ」
  「ああ、あの有名な!そんなしゃべり方だったっけ?」
  「資料なしでおじゃるよ
  「そうなんだ…悪いけどさ、風邪ひいてるみたいなんだ。帰ってくれる?」
  「せっかく出てきたから、得意の魔法でご主人さまのために働きたいでおじゃるよ」
  「いいよいいよ。ズー。じゃあおやすみ」
  「身を粉にして働くでおじゃるよ」
  「風邪薬飲んだから眠いんだよ、寝かせてよ」
  「馬車馬のように働くでおじゃるよ」
  「気持ちだけ受け取っておくよ」
  「千鳥ぐらい働くでおじゃるよ
  「微妙だなあ…いいから、帰ってよ」
  「残念でおじゃる…さよならのあいさつ、ジャンバラヤ!」
  「『ジャンバラヤ!』ってなんだよ…とにかくやっと帰ったか。眠い。フア~ア」
  ボワーン!
  「…呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」
  「わ、また変なの出てきた。…きみ、誰だよ?」
  「アクビちゃんだレム!」
  「ああ、そんなのもいたね。そのしゃべり方ももちろん…」
  「資料なしだレム!」
  「やっぱり。せっかく出てきてくれたのに悪いけど、だるいから帰ってくれる?」
  「そーんなー!得意の魔法でご主人さまのために働きたいレム~!」
  「だから、別にいいって…ゴホゴホ」
  「…ノンレム?」
  「いや、意味わかんないし」
  「わかったレム。帰るレム~!」
  「…レムレム言いやがって…ヒック!いけない、しゃっくり始まっちゃったヒック!」
  ボワーン!
  「…呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」
  「ヒック!…今度は何だよ!…ヒック!」
  「しゃっくり大魔王だケイレン!資料なしだケイレン!」
  「いやまだ訊いてないし!そんなのいるのも知らなかったし!」
  「いつも君のクラスの一番うしろにいるケイレン!」
  「そりゃパーマンでしょう?…ヒック!…とにかく、あんたは何だか使えそうだよ。
  このしゃっくり止めてよ…ヒック!」
  「しゃっくりは私のレゾンデートルだから、その頼みはいかんともし難いなあ…」
  「なんで急に素なんだよ!」
  「まあ、ご主人さまのためならしょうがないケイレン!しゃっくりをなおす呪文を
  唱えるケイレン!…OH!カクマック!
  「何て安易な呪文なんだ…あ、でも、しゃっくり止まったみたい…ありがとう、
  しゃっくり大魔王!」
  「お礼は見てのお帰りだケイレン!ジャンバラヤ!」
  「流行りかよ!…取り合えず、これでようやく…眠れる…グウ」
  ボワーン!
 
  …眠っているあいだ、熱に浮かされもうろうとした状態で、僕は「魔女いびき」とか、「歯ぎしり大魔王」とか、「ねごと王子」とか、KANA-BOONとかが次々と現れては消えるのを見たような気がするが、そんなことはもうどうでもいいのだおやすみなさい。

諸先輩方の「病気自慢」への対処法は。

 職場の先輩に「病気自慢」をされる。

 

「年度替わりだ令和だGWだって飲み歩いてただろ?だいぶ内臓やられちゃってさ。

 この前血尿が出ちゃってな」

「血尿?だいじょうぶなんですか?」

「あー、俺はもうボロボロだよカリイ。もうすぐ入院かもな」

「そんなことないですよ。『病は気から』っていうじゃないですか」

 

 …みたいな感じ。


 こういう病気の話をしたがる人って、やっぱり心配されたがりなんだろう。心配されることで自分の存在意義を確認しているわけだ。「大丈夫ですか?」「先輩がいなくなると困りますよ!」「しっかりしてくださいよ!」なんて言われて、…ああ、俺ってやっぱ、必要な存在?なんて悦に入りたいのであろう。

 

 それで、この「病気自慢」が厄介な点は、無視しにくいっていうか、簡単に流してしまえないところにある。

 極端な例だけど、

 「オレ、実は末期がんなんだよねー」

 「ああ、そうなんですか

 …などと流してしまうと、明らかに人道に反している。うかつに対応すると、こちらの人格が疑われてしまうではないか。

 

 だから諸先輩方の「病気自慢」に対しては軽くうんざりながらも、「大丈夫ですって」「頑張って下さいよ!」なんて励まし続けるのが正解なんだろう。なるべく話を広げずふくらまさず、身をかがめて目前の嵐が過ぎ去るのをじっと待つのだ。

 

 ―しかし、僕と先輩の会話中に通りかかった入社2年目の女性、Tさんは凄かった。

 

 先輩「あ、Tちゃん!(なにが『Tちゃん』だ)なあ聞いてくれよTちゃん、

    おれ、この前血尿出ちゃってさあ…」

 

 僕はそれを聞きながら、「さあ始まったぞ…」なんて呆れていたのであるが、それを受けたTさんの返し。


 Tさん「血尿?…あー、でも私もこの前、鼻血出しましたよ!」


 …Tさんすげえ。「血尿」と「鼻血」、同じ土俵かよ

 


 社会人として、まだまだ勉強が足りないなと思ったな。うん。

 

 ここでみなさんご唱和ください。

 「病気自慢をする人は」「センスが一番病んでいる

 「病気自慢をする人は」「センスが一番病んでいる

 

 ご清聴ありがとうございました。

名護のランドマークに登ろう~名護岳345メートル編~

 恐らく人類が手にした初めての道具はであろう。その用途は枚挙にいとまがない。何かを指し示す。遠くのものをこちらに引き寄せる。体重を支えるつえにもなる。アウトドアでは物干しざおや釣りざおになる。攻撃のための武器にもなる。戦士=こん棒、魔法使い=ひのきの棒は標準装備。綿棒だって棒だし、箸は英語でチョップスティック。棒とはそんなにも身近な存在なのだ。

 

 ―さて、今回は僕と棒との出会いのお話

 

 名護の市街地を中心に仕事している僕にとって、振り向けばいつもそこに名護岳がどん、と構えている。毎年1月下旬に開かれる名護桜まつりで知られるカンヒザクラの名所、名護城公園は名護岳のふもと。この山は名護市のシンボルであり、ランドマークと言えるだろう。名護のどこからでも見える山なので、きっと頂上からは名護全体が見渡せるに違いない。登ってみるか。そう思い立った僕はゴールデンウイーク期間中の4月某日、一路、名護岳山頂を目指したのである。

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 名護岳の登山口に行くにはまず名護城公園に入り、中腹の県立名護青少年の家まで行く必要がある。

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 名護青少年の家では受付に行き、名簿に名前と電話番号、車のナンバーを記入する。これは入山したことの証明。下山したら再びここに寄り、「ちゃんと帰ってきたよ」とチェックを入れるのだ。ちなみにハイキング・登山の利用は無料だ。

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 また、登山道とハイキングコースを示したマップももらえた。ドラクエみたい。これから山を攻略するのだ、と少しテンションが上がる。「どれどれ…」

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  こういうのを検討するのは好きな性分。「反時計回りで右からぐるりと山頂を回り、左から下りるコースにするか…(マップ上赤い矢印)」ひとりでさみしいのであえて声に出してつぶやいてみる。Aコース→登山道→頂上→登山道→車道→A・Bコース途中から合流→青少年の家、というルートになる。

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 午後2時すぎ、青少年の家をスタート。まずはキャンプ場を抜ける。

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 ここから入るらしい。最初に登った伊江島タッチューと違って本格的!

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 細い道を上ったり下ったり。アップアップ、ダウン、アップアップアップという感覚で歩みを進めていく。「アップ」という言葉を連ねるとなんか必死感出るな。実際には多少息が切れている程度で順調に前へ前へ。

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 イラっとしたのはクモの巣。細い道の幅がちょうどいいのか、きれいに道を横切るよう、そこかしこに網が張られている。網の中心付近ではハングリースパイダーどもがカサカサと音を立て、その8本足をもぞもぞと動かしている。(※気持ち悪いので写真は掲載しません)

 しかも、巣が張られているのはだいたい僕の顔の位置。これに何度もかかって気分が悪くなった僕は、むやみにつばを吐きだしてしまう。

 

 何かないか…辺りを見回す僕。そこに頼れる存在はいた。そう、だ。カリイは落ちていた棒を手に入れたテッテレー!…ごめん、今のはドッキリの効果音だった。

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 とにかく、棒を振り回しながら前へ進む。棒の威力はすごい。クモの巣をどんどんなぎ払える。クモナギ剛、という架空の人物が一瞬頭に浮かんで消えていった。

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 クモ「やめてくだせえ、あっしらが何をしたっていうんですか!」

 僕「人間様のお通りだ。どけどけ」

 クモ「ああ、必死に張った巣が…またイチからやり直しでさあ」

 僕「クモに生まれた自身の存在を憎め」

 クモ「失敗だあ」

 クモ「翼がほしい…」

 僕「それハングリースパイダーじゃなくてピンクスパイダーでしょう?」

 

 …ひとりなのでそんなコントも想像する。

 うっそうとした亜熱帯の森の中、ウグイスの声が断続的に降ってくる。日差しはさえぎられ、そこまで肌を刺すような暑さは感じない。やがてAコースは階段ゾーンに入った。ここからが難所。基本的にスロープだったこれまでと違い、つねに段差分の体重移動を強いられる。

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 Aコース登山路分岐点にたどり着く。ここからはいよいよ山頂までの登山路だ。

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 休憩も挟みながら。マグの緑茶の冷たさがうれしい。

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 さらに階段は続く。つーか右回りコース、ほぼ階段じゃねえか、とイライラする。

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 それでも黙々と足を動かす。名護岳手前の登山路上にある前岳を超えたらしばらく下り。そうしてまた上り。この間、延々と階段は続いた。

 

 ―やがて、階段の先にまぶしい空が見えた。来た。頂上の予感。現金なもので、その光景を前に、ダラダラ歩いていた脚に力が宿る。進め。進め。 

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 着いた。頂上だ。ここまで約90分。うち20分は階段と格闘したな。結構な達成感。思わずその場に座り込んだ。

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 頂上は東海岸から西海岸まで見渡せる絶景。天気にも恵まれた。

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 そして三角点とパチリ。アディダスのトレッキングシューズもこの日がデビュー戦。

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 さて、そろそろ下山するか、と下山口に向かいかけた僕、慌てて戻った。…棒!これがなきゃ!

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 結構ダイナミックな下り道。ロープをつかみながら慎重に下りる。やっぱこちら側から登ってくれば良かったな。

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  行きはよいよい、帰りは怖い。

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 車道を経てA・Bコース共通→A・B・Cコース共通の下りへ合流。途中には沢あり、岩場ありで、やはり時計回りで登った方が楽しめるコースだという印象を受けた。

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 シダ類が圧巻。

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さあ、ゴールは近い。

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午後5時前にハイキングコース入り口に到着。ほぼ3時間のコースだった。自分で自分をねぎらいたい気分だ。一人だし。

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ここで僕は手元の棒に目をやる。ここまであまたのクモの巣を払ってくれた「蜘蛛の槍」的な棒。登山のパートナーを務めてくれた棒。僕にとってまさしく「相棒」だったな。僕は感傷的な気分になる。(記念に持ち帰ってもいいな…)

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 10分足らずで登った伊江島タッチューに比べたら、名護岳は結構本格的で、頂上の達成感も段違いだった。アップダウンやロープを使う難所はあるけど、小学校低学年の子も両親と登っていたので(すれ違った)、より自然派のファミリー向けアスレチックとしてもおすすめだ。個人的にはぜひ、時計回りで登ることを推奨するなあ。

 

…あ、棒はやっぱ要らないので捨てました

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ギョーザのように包み隠せない話。~看板に偽りあり~

 きのう2日の沖縄は快晴。物置でホコリをかぶっていた自転車を引っ張り出してタイヤに空気を入れる。そのまま浦添の自宅から那覇新都心へこぎだした。20分程度で到着。買い物したりラーメン食べたりと休日っぽい一日となった。新都心公園の新緑が目にまぶしかったな。

 昼間暑かったせいか、夕方になると考えるのは「シュワッとした酒飲みたい」。ビールやレモンサワーがじわじわと脳内を侵食。これら悪魔の液体たちは僕に一つの司令を出した。

 

 「ギョーザ食おうぜ

 

 のった、とばかりにバスで繰り出しました那覇市久茂地午後6時すぎ。ところがお目当ての川沿い「金五郎」はすでにいっぱい。ゴールデンウイーク、10連休は取れなくてもさすがに3,4,5日は休みの人が多いのだろう。若者を中心ににぎわっている。

 

 ジューシーな大ぶりギョーザを諦め、小ぶりパリパリバラエティー系の「チャオチャオ」に目標を切り替えようと、しばらく川沿いを進んだところにあるチャオチャオの店内をのぞく。ここも混んでる。まだ6時すぎだぞ。いつからこんなギョーザ大好き県民になったんだ(お前もな)。カウンターに空席があったのだけれど、両隣がそれぞれけっこう太った男性。リアル狭い肩身の予感。店員さんに「今度にします」と告げて店を出る。ギョーザ難民かよ。

 

 ―それから那覇の街をさまようこと30分。最終的に、ギョーザにありつけたのは牧志「弐ノ弐」。

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 こちらの焼きギョーザもやや小ぶり。皮のパリパリがいい感じで、五香粉(ウーシャンフェン)も香り立つ奥深い味。ただ、僕の好みはやはり大ぶりジューシーなやつ。水ギョーザの方がもっちり皮たっぷり肉でおいしかったな。

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 たっぷり歩かされた難民はメガレモンサワーを注文。後はひたすらギョーザとサワーを交互に口に運ぶ作業を繰り返す。うまいなー。ギョーザ欲は満たされ、悪魔の液体たちは天使の液体に姿を変えた。レモンサワーが進む。そう、世界は安定したのだ。

 

 安定した世界の中で僕は、そういえば浦添の自宅から歩いて行ける場所に、ギョーザ推しの居酒屋がオープンしていたな、ということを思いだした。通りすがりにギョーザをPRする店頭の看板を見たのだ。わざわざ那覇に出てきてギョーザ難民になるより、近所のあの店で食べた方が良かったかもな。そんなことをゆるゆる考えていた。

 

 そしてきょう、またその居酒屋の前を通りがかる機会があった。あらためてギョーザの看板の前に立つ。

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 (…あれ?おかしくないか?)

 疑問がこみ上げ、即座にツッコミに変わる。何がおかしいか。まずはその看板を見てほしい。

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『沖縄初!』…って絶対そんなわけないー!!」

 

 ちょっと思いだしてみても鉄鍋餃子、県内の和民とか、紅虎餃子房とかでメニューにあった気がするぞ。

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 …ほら、少なくとも2軒はあるぞ。

 

 何だろうなあ。この感じ。ひょっとして「鉄鍋」じゃなくて「鉄なべ」が沖縄初なのか。書き方なのか。いやいや「鉄鍋餃子の看板が沖縄初なんですよ」なのか。どちらにせよ疑惑と誤解を生んでいる時点でダメだと思うな。

 

 これってけっこう、個人的にはため息事案で、狭い世界のアイデンティティーというか、こういう「ろくに調べもしないで看板に載っけちゃう店長」的な考えが足りてない感じに加え、それを「『これ、本当に沖縄初でいいんですか』と確認しないで看板を制作した業者」ね。この看板がらみで、半端な仕事をした大人が少なくとも複数人いるってのがとってもよろしくないな。

 

 そう、言っちゃえば「フェイクニュース」。店頭にうそを掲げているんだから。

 

 「沖縄初」の鉄なべ餃子を売りにするこの居酒屋を、生温かい目で見守っていこうと思う。もちろん食べに行くことはないだろう。

君はコンビニ・クロールを知っているか~supported byストロングゼロ(非公認)~

 近況。登山、トレッキング用にステンレスのマグボトル買いました。タイガーサハラ。600ミリリットル。なかなか気に入っている。この前、山デビューもさせたし。

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 軽さと、片手で開閉できる手軽さが魅力だ。保温は温冷ともに6時間をうたうが、10時間入れてても「冷たい」と感じるレベル。

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 今までペットボトル飲料を買っていたのがもったいないな。だって緑茶ならコンビニの500ミリリットルとスーパーの2リットル、何ならスーパーで買った方が安いしね。しかも勤務時間の間冷たいし。

 

 ―さて、ここからが本題。

 ちまたでさんざん語られていることではあるが、サントリーストロングゼロは偉大だ

 

 500ミリリットル100円台という買いやすい価格でありながら、しっかり酔える。定番のレモン、グレープフルーツ、シークヮーサーに加え、季節ごとのフルーツが味わえるのが良い。特に季節限定の「しょっぱい梅味」は既存の梅チューハイの「甘酸っぱい…もっと酸っぱい寄りに振れてもいいのに」という酒飲みの需要に応えた名作だと思うな。

 あと、サントリー的にストロングゼロは甘くないところから「食事に合う」推しをするんだけど、最近出た「メロン」味はさすがに食事に合わせるのは無理があったぞ。普通に甘いし。

 

 さておき、少し前に「パブクロール」がはやった。言っちゃえばはしご酒。酔った状態で一軒、もう一軒、とパブやバルをつないでいく。夜の街を泳ぐように徘徊するのだ。これを自己流にアレンジし、たまに「コンビニクロール」をやる。ルール(?)はかんたん。コンビニでストロングゼロを買って、飲みながら歩いて次のコンビニへ向かう。そして次のストロングゼロを補充する。また飲みながら歩く。この繰り返しだ。

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 思うに、飲酒って、ある種の「逸脱」だ。

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 仕事終わりの一杯は業務からの逸脱、休日の一杯は日常からの逸脱、朝から飲んでいる人は社会からの逸脱。要は手軽に味わえる「非日常」が酒の魅力じゃないかな。「ストロングゼロを飲みながらいつもの街を歩く」。これだけで少しだけイリーガルな気分になれる。「社会からはみだす僕カッコイイ!」的な解放感。夜に仕事関係の電話がかかってきても「もう飲んじゃったし」という言い訳感。もちろんそんな言い訳通じない場面の方が多いけど。

 

 僕は最寄りのバス停からバスに乗り込む。そうして20分ほど揺られ、適当なバス停で降りる。4月。前の季節の冷たさと次の季節の暖かさをチャンプルーしたような生温かい風がほおをなでる。

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 遠くにファミマの外観のグリーンが見える。街の癒やしカラーかよ。吸い寄せられるように自動ドアをくぐり、ストロングゼロを1本買う。外に出てプルトップを引く。プシュ、という音と小さなしぶきが立つ。それすらも惜しいというように手早く喉に流し込む。濃い。でもぐいぐい飲める。この解放感。イリーガル感。

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 春の宵に始まるストロングゼロ・コンビニクロール。1キロ、2キロと、給水地点のようにコンビニをつなぐ。3軒目くらいになるとそこそこ酔ってくるので一回「ほろよい」をはさむ。そして4軒目から再びストロングゼロへ。

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 近年1チェーン店による集中出店で崩れつつあるものの、半径500メートルが商圏と言われるコンビニ。5軒目6軒目、となるとすでに3~4キロ歩いていることになる。ウオーキングもしてるもんね、という妙な健康意識が酒飲みの罪悪感を打ち消す。

 

 このコンビニ・クロール。欠点があるとすれば世間体だろう。どうも、いい大人がチューハイ缶を片手に「イリーガル感」とか言いながらうろうろ歩いているという状況は見た目的にもよろしくない。お巡りさんにモテそうな気がする。「職質」という言葉も頭をよぎる。ご近所のうわさになるのも嫌だし。

 

 ーみなさんもう分かりましたよね。タイガーサハラは僕の水泳仲間です。

 

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ドナドナが聴こえる~家畜を手に入れよう~

 和牛のオーナーになりたい。私は家畜を飼うのだ。

 

 ―なぜか唐突にそう思ったあなたに、沖縄で実現可能な、夢がある話を紹介したい。もちろん、ひところ全国的にはやって経営破綻した安愚楽牧場和牛預託商法なんかよりよほど健全だ。

 

 沖縄の離島や、やんばる(山原=本島北部)に行くと、村祭りなどのイベントで黒毛和牛1頭やヤギ1頭など家畜が当たる抽選会が普通に行われている。

 

 9つの有人島でつくる竹富町の黒島では毎年2月に「黒島牛祭り」が開かれている。人口200人強に対し牛3000頭いる人より牛が多い島で、競り市場もあって畜産が主要産業だ。祭りでは「牛の体重当てクイズ」や「牧草ロール転がし」など独特のイベントで盛り上がる。そのメインイベントが、牛一頭が当たる抽選会なのだ。

 抽選券は石垣港ターミナルで買える。往復乗船券とセットで大人2900円。この日は島に約3000人が来島するので確率は3000分の1だ。近年は各地の震災の影響で子牛が値上がりしているため、子牛だって70万円はする。3000分の1の確率で70万円なら、そこそこ夢がある話ではないか。

 

 こんなイベントもある。本島北部の今帰仁村では毎年4月に「マジックアワーRUN」というハーフマラソンが開かれる。屋我地島と古宇利島を結ぶ「古宇利大橋」という絶景を夕暮れの時間に走る人気の大会だ。

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古宇利大橋

 そんなマジックアワーRUNのお楽しみは走った後のふれあいパーティーの抽選会。ゼッケン番号が抽選番号となり、村特産のスイカやマンゴー、航空券が当たったりする。そしてこの抽選会の目玉賞品も、ヤギ一頭なのだ。ヤギを食べる習慣がある沖縄では食肉として流通していて、1頭7万円程度で取引されている。

 

 このハーフマラソンの参加費用は4500円。毎年3000人強の参加がある。しかも大半のランナーは完走後、ふれあいパーティー前に帰ってしまうので、実質1000分の1以下の確率になる。1000分の1で7万円。実に夢がある。もう走らなくていい。ふれあいパーティーでヤギだけ狙えばいい

 

 ちなみにヤギはランナーが走っている間、会場に賞品として展示されている。じつにもの悲しい気分になれる。エモい。

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 もしあなたが幸運に恵まれ、牛やヤギを手に入れたらどうするか。そもそも飼うのか。うちの庭にそんなスペースはあるのか。ご近所から苦情は出ないのか。解体するのか。どこで?誰が?…ちょっと待って、私そもそも大阪から参加したんですけど。そんな人には何が待っているのだろうか。

 

 ―そう、換金である。

 

 当たった人には地元の畜産農家が複数人、そっと近づいていって「どうする?●万円でいい?」「●万円まで出すよ」と話しかけるのだ。そうして牛もヤギも再びその地域に残り、そのうち出荷されたり親戚一同で消費されたりするのだ。かくして当選者の手元にはキャッシュだけ残る。夢しかない。

 

 ところで、抽選に当たる→近場で換金

 

 …何かに似てるよな、と思って気づいた。これパチンコだ

 

 急速に夢が無くなった気がする。

14年前の自分の言葉が自分に刺さる。

 「オレがもし女だったら、お前のこと放っておかないけどなあ」

 …不可能なうえに気持ち悪いこと言うな。


 「えー、キミだったらぜったい彼女できるよー!」

 …むしろ君と付き合いたいのに?


 「ほら、オレって誉められて伸びるタイプだからさ」

 …ああ、楽したいだけなんだ?


 「だってあの子は、やればできる子なんだから!」

 …たぶん一生やらないけどな。


 「もしもし?いまだいじょうぶ?」

 …すくなくとも死にかけてはないけど。


 「えー?全然モテませんよー!ほんとにー!」

 …ああ、性格に難があるんだね。


 「あー、酒もタバコも、中学の頃からやってたからなあ」

 …別に偉くないって。


 「とりあえずもう、告っちゃえばいいじゃん!」

 …お前らの娯楽のためにな。


 わかった、もうわかったよ聞き飽きた。
 エンドレスに繰り返されるそんな常套句にはうんざりだ。
 昔を誇るより、今の自分がどれだけすごいかを誇れ。
 「今が楽しければいいじゃん!」の「今」はいつまでも連続してないと知れ。

 

 そうしてきっと、
 僕を含めたほとんどの人が、

 何も誇れるものがない、からっぽの自分に気づくだろう。

 

 「やり遂げた」者だけが偉いんだ。

 人に依存するな。自分で責任を取れ。
 世界は悪くない。何が悪いって、君や僕自身がいちばん悪いんだ。

 

 だから、ただ黙々とひたすらに、言い訳をせずこつこつと。
 夢でもいいし、あなたが好きな誰かでもいい。
 目標に向かって。対象に向かって。


 やり遂げろ。愚痴るな。とりあえずやり遂げろ。


 そんなあなたを尊敬するぜ。

 そんなあなたを尊敬するぜ。

 

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14年前に書いていたブログ「回転空転。」から転載。自身の言葉が時を経て自身に刺さる。最初に「ブーメラン」言い出した人を尊敬するなあ。

 

…やってみるかー。しぶしぶながらも気合いと確信に満ちて。